<上海建築2004&2014>ロシア領事館

ロシア領事館2005

ロシア領事館2014

黄浦路20号
1916年、ガーデンブリッジのすぐ横、蘇州河と黄浦江が合流する場所に4階建の洋館ロシア領事館は建てられました。建物はその後自国と中国の複雑で変化の激しい情勢に翻弄されつづけました。1917年ソビエト連邦共和国が十月革命に勝利すると建物はロシアからソ連に名称が変えられます。1927年4.12政変が起きると南京政府とソ連の関係は悪化、12月国民政府はソ連との国交を断絶、領事館は国旗をおろし、建物と財産はドイツの管理下におかれました。1932年国交回復後、第二次世界大戦をのりきるも、60年代70年代に中ソ関係は悪化し、ソ連政府は領事館をひきはらいました。文化大革命中、建物は海員倶楽部として使用され、1986年の国交回復で再度ソ連領事館としての機能を果たすことになりました。建物が真に本来の名前に戻ったのはそれからまもなくのことでした。1991年ソ連邦解体によりロシア領事館となったのです。上海外灘にはかつて20ヶ国前後の国が領事館をおいていましたが、その後ひきはらったり移転したり今なお残る英国領事館とフランス領事館も機能は他に移されています。ロシア領事館だけが80有余年の風雪を経て今も黄浦江に建っています。

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