プロフィール:
五向園 〒719-3155 岡山県真庭市下方1311-1
ウェブサイト https://www.gokouen.net/
産地のご紹介:
小高い丘が彩る…濃い緑、薄緑、赤緑…まるで美しいパッチワークの様な茶園、五向園。
岡山県真ん中辺りの岡山県真庭市美作落合から下方地区。1928年(昭和3年)、「昭和育英会」が、産業振興と雇用の促進のために開墾造成し、平安時代より自然交配を繰り返した種から先人達が育てていきました。1937年(昭和12年)には、3ha余りの茶畑が広がっていたと伝わります。
有名茶に押され、下方地区の茶産業は荒廃したものの、1950年(昭和25年)より、先々代の難波家が引き受けられました。
現在、約2haの茶畑を3代目難波さんご夫妻が実生在来100年樹を絶やすことなく、自然な栽培を心掛けて愛情たっぷりに育てています。
当園の畑は畝間を広く取っています(有名産地の茶園と見比べてもらうとわかります)。
そのため土は太陽の光をしっかり浴びています。
ということは草もしっかり成長するということ。
つまり夏場の草刈りがどれだけ大変かということです。
宝迫先生と伺った7月末、柳茶を作りながら草刈りを同時に進行されていました。首に掛けたタオルは絞ると滴り落ちます。草刈りが終わると休むことなく中刈りが待っています。
お茶のこと:
里山に住み、茶農家、製茶工場、茶販売店をこなす難波ご夫妻、まさに農家さんの佇まいですが、実は茶に加えて音楽が大好き夫妻です。里山でヴァイオリン、ビオラ、チェロを数名の子供や大人に指導されています。
その指導も 茶作りも手を抜くことはなく、無農薬、自然に任せる栽培を汗まみれ泥まみれになりながら日々励まれています。梅雨から夏にかけての過酷な草刈りや作業を夫妻で闘う姿は、この茶園を愛している!と言うことが、後ろ姿に映っています。
今でも実生在来100年茶樹が主に栽培される茶園!
種から育つ茶の樹は、根は直根で大地に深く根を張ります(品種化された茶の根は横に張ります)から 大地深くの養分をしっかりと吸い上げ、風や雪に強く、元気で樹齢は長くなります。
種で育つと親がみんな違うので個性を持って育ちます。葉の色、硬さ、香り、滋味が違うことが、欠点とよく言われるところです。
しかし、これは、長所でもあり、人間と同じように 個性が集まれば “力” となります。 お茶において 実生で生まれ育ち、それぞれの特徴が融合されて深みのある香りと味わいが生まれます。
どうぞ、日本で失いつつある、実生100年樹の深い味わいをお楽しみ頂きたいと思います。
私の推しは、全部ですが、「実生在来100年樹上煎茶」と「山の番茶」です。
上煎茶は10グラムの茶葉に80℃の湯を100ccくらい入れて香りを出した後、水を入れて冷茶を作るのもオススメ。
温かい番茶は1.5リットルの水をやかんに注ぎ、茶葉5グラム準備します。
やかんの沸騰を止めて茶葉を入れます。
入れっぱなしでもいい。
番茶の水出しは、リーフの壊れかけを使うと抽出しやすくていいです。