プロフィール:
NPO法人石鎚スクエア 就労継続支援B型事業所Visee お茶工房美瀬
産地のご紹介:
西日本最高峰石鎚山(1982m)の麓、水都(※)愛媛県西条市小松町の標高約600mの旧石鎚村で、古くから伝わる後発酵茶です。(※自噴水のこと)
茶葉を蒸し、微生物により発酵させて作るお茶は、全国にも4か所しかない希少なお茶です。
糸状菌による好気発酵と乳酸菌による嫌気発酵をさせる二段発酵という製法で作られ、その製法・効能・味わいの奥深さは、お茶の専門家や研究者から注目されています。
また、令和5年3月、石鎚黒茶の製造技術が「国の重要無形民俗文化財」に指定され、一層関心が高まっています。
産地のご紹介:
世界でも希少な二段発酵茶で、①刈り取り、②洗浄、③蒸し、④好気発酵、⑤揉み、⑥嫌気発酵、⑦干し、⑧熟成、の製造工程を経て作られています。
石鎚黒茶の製造は7~8月に行われます。そのために「茶葉が固く充実していること」「気温が20℃前後で、発酵に必要な菌が常在する場所であること」が、おいしい茶を作るため に重要となります。
茶葉を真夏まで育て、茶葉を固く充実させてから刈り取り、蒸して木桶に入れ、冷涼な山間にて発酵を行います。
空気中の糸状菌による好気発酵させた後、揉むことで繊維を壊し、空気を十分抜いて乳酸菌により嫌気発酵させます。この二段発酵の工程は製造の中で最も重要となります。
その後、郷に茶葉をおろして天日干しします。
日光の力で茶葉の色が黒くなり“黒茶”が出来上がります。
すぐに飲むのではなく、熟成させるのもポイント。
冷暗所で熟成させることで味に深みが出て、おいしい石鎚黒茶に仕上がるのです。
お茶のこと:
石鎚黒茶の歴史は古く、諸説ありますが、四国霊場を開いたことで知られる空海が伝えたお茶とも言われています。
江戸時代から大正時代に盛んに作られ、茶粥にしたり茶葉でご飯を炊いたりするなど生活の中に溶け込み、愛されてきました。
また、88カ所を巡るお遍路さんへのお接待としても振舞われていました。
石鎚黒茶の製造は力仕事であり、石鎚山間部の過疎化も進んだことで一時継承が途切れそうになりましたが、現在は、その技術をお茶工房美瀬(Visee)など、3団体が受け継ぎ、心を込めて作っています。