滋賀政所 政所平番茶 茶縁むすび

プロフィール:

山形蓮

非農家出身、元日本茶嫌い。2012年に大学のフィールドワークで偶然「政所(まんどころ)茶」と出会い、作り手の思いに惚れ、素人ながら仲間たちと茶畑を借りて産地に通い一からお茶づくりを学ぶ。2014年に東近江市地域おこし協力隊第1号として移住し、政所茶の生産・加工・販売に加え、産地をPRするツアーやイベントの実施やコラボ商品の開発なども行う。政所茶生産振興会理事、政所茶縁の会代表、茶縁むすび代表。

 

産地のご紹介:

滋賀県と三重県の県境、鈴鹿山脈の山奥、琵琶湖に注ぐ川の源流域に政所(まんどころ)茶の産地はあります。室町時代から長い年月、産地全体で農薬と化学肥料に頼らないお茶づくりが守り継がれ、生産される茶種の約7割を実生在来種が占めています。冬は積雪が多く茶樹の上に雪が1m近く乗り続けるため、在来種の茶樹は雪に耐えられるようなしなやかで粘り強い幹を持っています。

また狭い谷筋に清流に沿って、畝化されていない独立仕立ての茶畑や家屋、そして山々がモザイク状に織り成す景観は日本の原風景のようで日本遺産にも選定されています。銘茶として歴史上にも名を残す産地でありながら、最盛期の明治時代からは生産量が大幅に減り、市場に流通しないことから幻の銘茶とも呼ばれてきましたが、10年ほど前から大学や農業高校、移住者など外の力も加わることで産地も活性化してきており、近年では茶摘みに300人以上の参加者が国内外から訪れたり、ツアーやイベント、SNSなどを通じて産地を知り、応援をしてくれる輪が広がっています。

また、これまでは玉露や煎茶、平番茶が主体の産地でしたが、近年は紅茶やほうじ茶、そして今年は初めて抹茶の商品化に成功するなど新しい取り組みも行われています。

 

お茶について:

政所平番茶(まんどころ ひらばんちゃ)

硬く成熟した葉を収穫し、一度に100㎏ほど入る直方体の木製の蒸し桶にぎゅうぎゅうに詰め、下から蒸気を入れて30分間じっくり蒸し、その後枝を風で選り分けて乾燥機で乾燥させたのが平番茶です。蒸し桶に茶葉をぎゅうぎゅうに詰め込んで蒸すことで、蒸しあがった茶葉がアイロンの当たったように平たくなることから「平番茶」と呼んでいます。茶葉の収穫時期は、一番茶の収穫方法によって分かれており、一番茶を手摘みで収穫する茶畑では番茶を一番茶後すぐの6月に、刈り取りで収穫する茶畑では雪解けを待った3月下旬に収穫をすることが多いです。

味わいは、成熟した茶葉を用いるためか甘みがあり、どのような食材にも邪魔せず馴染む飲みやすさがあります。近年ではハーブや香辛料とブレンドする楽しみ方も見出されています。また、水出しにすると蛍光グリーンのような美しい水色で甘さも増し、カフェインも検出されなくなるということで年々人気になってきています。

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