カザフスタンには世界の歴史を揺るがした有名な場所が二ヶ所あります。一つは1218年にチンギス・ハーンによって徹底的に破壊されたホラズム王朝のオトゥラル、もう一つはこのタラス川です。この場所で751年に高仙芝将軍が率いる7万5千人の唐軍とイスラム帝国軍が戦い、唐が敗れて製紙技術を知る捕虜によって製紙法がサマルカンドに伝わりました。同年、イスラム最初の王朝ウマイヤ朝が滅び、アッバース朝が成立しました。アラブ軍のほうにもそのような事情があり東への進軍はありませんでした。唐軍敗退の原因は同盟していた中央アジアで初めてイスラム教に改宗したというチュルク部族の寝返りでしたが、その部族は後に巨大勢力となりカラハーン朝を樹立させることになります。タラスはカラハーン朝の首都となりました。日本に紙が伝わったのは7世紀初頭のこと、これより前のことです。(2008-01-10)
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