<上海建築2004&2014>中国銀行大楼

中国銀行大楼2005

中山東一路23号
中国銀行の前身は清朝廷戸部が経営していた戸部銀行です。銀行は光緒三十年(1904年)に開業し、上海分行はその年の10月31日に漢口路に開業しました。光緒三十四年(1908年)戸部銀行は改組され大清銀行になるも、辛亥革命によって大清皇朝と共に大清銀行としての幕を閉じました。その後銀行は民国元年(1912年)に中国銀行として新たに生き返ることとなります。1934年現在の建物を建てる際、銀行側は当初外国銀行との競争に負けない実力を顕示するため上海で一番高いビルを建てようと計画していました。しかし基礎工事が始まってまもなく、サッス-ンハウスの持ち主であるヴィクトール・サッス-ンのサッス-ンハウスの金字塔より高くしてはならないとの干渉がはいりました。彼は租界の実力者であり租界の多くの事業者たちも彼に賛同したため、宋子文らの主張は外国圧力に屈し、計画は断念されることとなりました。こうして建物の高さはサッス-ンハウスよりも30cmだけ低くなりました。
追記:
老上海時代の建築物の物語を語るうえで欠かせないのがパーマー&ターナー事務所のことです。なぜなら上海灘(バンド)に並ぶ主要建築や上海アール・デコ・スカイスクレイパーとよばれる代表的建築物の多くがこの事務所によって設計されたのです。
1916年 ユニオン・アシュランス・カンパニーズ・ビル
1916年 ヤンツ・アソシエーション・ビル
1922年 グレン・ライン・ビル
1923年 チャータード銀行
1923年 香港上海銀行上海支店
1924年 横浜正金銀行上海支店
1925年 上海海関
1929年 サッスーン・ハウス
1937年 中国銀行本店
上海の象徴である上海灘(バンド)の風景はパーマー&ターナー事務所が造ったと言っても過言ではありません。

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