<上海建築2004&2014>永安公司(ウィンオン)東方紅商店

永安公司2004

永安公司2014

南京東路635号
永安公司(ウィンオン)は南京路をはさんだ先施公司(シンシア)の向かい南側に、シンシアからおくれること1年、1918年に開店しました。建物は著名なパーマ&ターナー事務所設計によるものです。ウィンオンの創設者である郭東の出身地はシンシアの創設者馬応彪と同じ広東省で、17歳でオーストラリアに渡り馬応彪の果物の卸売り店で働き、1907年に香港で百貨店ウィンオンを開きました。ウィンオンとシンシア両百貨店の競争はこのころからすでに始まっていました。舞台を上海に移し、当初シンシアが計画していたのは5階建てでしたが、ウィンオンの設計が6階建てだという情報をつかむと、シンシアはさらに2階を加えました。ウィンオンが塔を倚雲楼と名づけると、シンシアは日摩星楼と名づけました。この戦いは1933年、ウィンオンが22階建ての新館を建設するに至って大きな差をつけて、ウィンオンに軍配はあがりました。
追記:
老上海時代の建築物の物語を語るうえで欠かせないのがパーマー&ターナー事務所のことです。なぜなら上海灘(バンド)に並ぶ主要建築や上海アール・デコ・スカイスクレイパーと呼ばれる代表的建築物の多くがこの事務所によって設計されたのです。
1916年 ユニオン・アシュランス・カンパニーズ・ビル
1916年 ヤンツ・アソシエーションビル
1922年 グレン・ライン・ビル
1923年 チャータード銀行
1923年 香港上海銀行上海支店
1924年 横浜正金銀行上海支店
1925年 上海海関
1929年 サッスーン・ハウス
1937年 中国銀行本店

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