<上海建築2004&2014>蘭心戯院(上海芸術劇場)

蘭心戯院2006

蘭心戯院2014

茂名南路57号
蘭心劇院は茂名路の優秀近代建築風貌保護区の中にあり、付近には錦江飯店(かつてのキャセイマンション、グローヴナーハウス)、フランスクラブ、国泰電影院など、上海の歴史文化を象徴する代表的な地区にあります。
1930年代、上海でもっとも現代的で施設が整った劇場と言えば、まっさきに挙げられるのが蘭心戯院でした。蘭心戯院は1931年茂名南路に建設されました。 当時は高貴な娯楽場所として、ソワレには夜な夜な演奏会が催され着飾った紳士淑女が一堂に会したそうです。太平洋戦争が勃発すると、多くの外国人が上海を離れ、蘭心も高貴な劇場という立場を捨て、中国人の会議や演劇のために中国人に貸し出されるようになりました。 いくつかの団体と学校の劇団が難民や地下組織を救済するために蘭心でチャリティー公演を開催しましが、その後は蘭心が英商系の産業であったため日本軍に差し押さえられ、演目が規制されるようになりました。 戦争が終結した1945年10月10日、舞台を長年離れていた梅蘭芳の『刺虎』で戦後最初の公演が行なわれました。 1953年、蘭心は上海芸術劇場と名を改め、上海人民芸術劇院と青年話劇団の専用公演場所となります。
90年代中期、劇場は本来の名前を回復します。 観客席は計723席、一階席は490、二階席は233でした。 座席は充分に広く、どの座席からの視界も音響効果も最高の状態を考えられて設計されています。 舞台の広さは幅19.5m、奥行き10m、その面積はほとんど観客席と等しいものがあります。
このような施設装備は当時の上海では屈指のものでした。
タキシードやドレスをまとった紳士淑女が蘭心戯院に集う風景は現在セピア色の写真の中で見ることができます。

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