西康省は中国の旧省名で、中華民国28年(1939年)に定められ康と略称されました。現在の四川省のカンゼ・チベット族自治州、アバ・チベット族チャン族自治州、涼山イ族自治州、攀枝花市、雅安市を含む地域です。
気象変化に富む茶馬古道を行く人々は、清渓(漢源県清渓鎮)を吹く古城の風、雨城雅州(雅安市)の煙雨、建昌(涼山イ族自治州西昌市)の名月を“西康三絶”として愛しました。
清渓古城は607年に誕生し、1400年の歴史を有する南方シルクロード上の主要宿場町の一つです。城内には今なお唐、宋、明、清朝、各時代の建築が残っています。山(大相嶺:もう一つのルート大相嶺)から降りてくる背夫たちが最初に寄る宿場町だったことから、繁盛していたことがうかがえる清朝雍正年間(1725年)に建てられた孔子廟(四川省に現存する八老文廟の一つ)があり、老街の奥には城壁が残っています。
(2017-7-27)
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