高雄六亀野生山茶@台三線お茶のある風景㉑

高雄六龜地区は、茂林国家風景区内、屏東平原と中央山脈の丘陵が交わる地に位置して、5月から9月は雨季で、年間降水量は1500〜2000mmの高温多雨、熱帯モンスーン気候に該当します。こちらの住民は客家、福建移民、外省人、原住民で構成されています。
六龜地区標高1100〜2000m級の山中、700〜1600m地帯に経験豊富な摘茶人しか判別できない、樹高は10mにも達し、幹は直径30cmにもなる、人知れず密やかに生育する神秘的な野生古茶樹林があります。一見杉林のように見える木々は、生きるために高く高く伸びたと言われています。これらは遥か昔先住民が薬用に使ったものか、はたまた客家が持ち込んだものでしょうか?実際、山麓には客家の里があり、その茶は伯公茶と呼ばれていました。伯公は客家語の中で年長者或いは福徳正神の尊称です。一芯二葉を摘み際はもちろん木に登らなければなりません。1本の茶樹に一日かけて、一日がかりで採れるのは10斤ほどの生葉しか採れません。これを製茶しても2斤(1斤600g)にしかなりませんから、六亀野生山茶の希少性は自ずと知ることができます。山崩れのせいで原生林があるところまでは行けませんでしたが、華興製茶所で栽培している喬木型茶樹を見学して、5種類の茶を試飲させていただきました。
《茶譜》
・青韻 昨冬製 文山包種茶の製法
・野韻 今春製 半発酵茶
・野蜜 今春4月5月製 紅茶
・紫芽白茶 白牡丹スタイル
・陳年老茶 武夷山大袍を1976-7年頃始培、2003年に製茶した葉を2004年と2005年に続けて烘培その後5年ごとに再焙煎
・冬片 昨冬製
山頭気とは
それぞれ山が持つ自然環境下で組成される茶樹の生育条件を指します。たとえ同品種であっても、水質、土壌、気候、日射時間、周辺植物などの要素が茶葉の品質や滋味に影響を及ぼします。従って、茶葉がどのような山頭気の薫陶を受けたのか、茶葉を選ぶ際のヒントになります。

~2024年6月6日facebook記事より

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