「村に着けば直ぐ飯にありつけるし、磚茶も飲める。(中略)お茶には小麦粉のブリンや、凝乳と卵の入った揚饅頭や、小さな焼菓子や、角形パンの揚物などが出た。」
ロシアの極東サハリン州の偉人と言えば、1890年代に医師として当時流刑地だったサハリンを訪れて、モスクワからサハリンまで旅の記録『サハリン島』を著したチェーホフです。そこに登場する磚茶は、中国との茶貿易によって飲むことができる比較的高いお茶で、代用茶として極東ではイワン茶というが存在しています。それはサハリンではヨモギのように、どこにでも生えているヤナギランを乾燥させて作るお茶です。サハリンでそのお茶を探した時は11月という季節のせいで見つけることができませんでしたが、一年という歳月を経て、ロシアを旅した人が購入したイワン茶を飲むことができました。現在のサハリンではヤナギランを摘まなくてもスーパーにお茶がたくさん売っています。
(2018-4-5)
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