



1906年生まれのアメリカ人建築家ジェームズ・H・W・トンプソンは、34歳の時にアメリカ陸軍に志願し、第二次世界大戦中にCIA機関の前身であるOSSの諜報員としてタイに渡りました。
タイでタイシルクの価値を見出し、織物のデザイナーとしての才能と経営者として独自のノウハウを駆使ししてタイシルクブランド名を世界中に広めました。
時は、1967年3月27日イースターの日曜日。
建築家、諜報員、実業家、上流社会の寵児、そして近代タイシルク産業の創始者と、いくつもの顔を持っていたジェームズ・H・W・トンプソンが、旅先のキャメロンハイランズのムーンライトコテージ(友人の別荘)から午後の散歩に出かけ、忽然と姿を消しました。
徹底的な捜索が行われ、高原の密林に住む先住民族も捜索に協力しましたが、結局、彼の遺体は発見されず、真相は現在も不明のままです。
1967年に起こったこの失踪事件を下敷きに、松本清張が1972年に連載開始したのが長編ミステリー『熱い絹』です。上巻の目次「紅茶の村」がキャメロンハイランズを指すようで、この本を読んだ松本清張ミステリーファンだけでなく、紅茶好きの方は、ここで本に書かれた紅茶を飲むために旅する、一度は訪れてみたい地なのでした。
2025.08.04facebook記事より

