膨風茶、東方美人始まりの物語@台三線お茶のある風景⑧

台北県から苗栗丘陵の背後に横たわる雪山山脈の水脈は五指山を巡り北埔を通り、南下して苗栗県の珊珠湖に至ります。冬の冷たい風から隔絶されるため、北埔峨眉の気候は温和でウンカには良い繁殖環境で、穀雨が過ぎるとウンカの孵化が始まります。
大部分が山岳丘陵地帯に占められた北埔郷は土壌が砂礫地質の第三紀層で稲作にむいた土地ではありませんでした。それがかえって茶樹栽培に適し、植えられた青心大冇、青心烏龍は膨風茶絶好の品種となりました。
昔むかし、大稻埕で売られた北埔茶がその香りの高さと滋味が絶賛され争奪戦が起きて、価格は天井知らずとなりました。茶を売り切った販売人が北埔このことを同業者に告げても、誰もが誇張して吹聴していると信じなかったため膨風茶の俗称がつきました。
怡和洋行(ジャーディン・マセソン)など外商が購入する茶が増加の一途をたどるにつれて、地勢や地質、気象条件を同じくする峨眉、獅頭山、老田寮、頭屋一帯でも生産が始まり、不便だった交通の発展も手伝って輸出茶を代表する茶となりました。残念なことに、芒種から大暑の天気良好な日、虫害で発育を停止した芯芽を原料として製茶する膨風茶は大変限定的なお茶であり、大量生産はできません。
動画は東方美人の室内萎凋風景。カレイに萎凋葉を薄く散らして、時間の間隔で集めては揺らしては散らし、また再び静置しています。
たった1分、職人の手捌き、いつまでも見ていたい🥰
画像は東方美人の茶畑、ウンカ芽はうっすらと紅を帯ます。
台湾5山脈&3台地1丘陵φ(・
雪山山脈
海岸山脈
中央山脈
玉山山脈
阿里山山脈
桃園台地
苗栗丘陵
大肚台地
八卦台地

~2024年6月2日facebook記事より

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