申珖秀氏の茶山では例年ならば4月20日から茶摘みを始めるのですが3月の低気温やここ2、3日雨が降ったせいで今日が初摘みだった様です。改良種は本質を失っている、改良種へと皆が流れていってしまっても、自分だけは在来種にこだわると語った名人のこだわるお茶作りはそれだけでなく、無農薬、無肥料を徹底、茶木に必要な微生物や栄養素は3メートル先の地中にあり、在来種は根を深く伸ばして自分で栄養を探す、自分で生きる自生茶であるべきだと考えています。一番お茶作りの工程で難しいのは温度、釜はガスではなく薪(まず柿やくぬぎの木で釜炒りして、最終工程で桐の木を使う、香の強い木材は使いません)を用いています。茶の木は種で増やします。こちらの種は大きい優等種だけれど、一般の茶の木の種は3年くらいで茶摘むができるようになるところ、それらは7、8年かかります。ただひたすらお茶の種を植え続けて50年、その面積は200万坪に及びます。茶が嫉妬しないよう、茶のことだけに専心して生きていたけれど、後悔していないと、名人は言いました。
(2018-7-1)
目次