お茶が伝わる以前、モロッコではミント湯が広くて飲まれていました。
モロッコのお茶の歴史は、ムーレイ・イスマル皇帝(1672〜1727)の時代、イギリスのアン女王(1665〜1714)がイギリス人捕虜を解放してもらうために湯沸かし(サモワール)2つとお茶を送ったことから始まります。
18世紀、ヨーロッパを経由して運ばれてくる茶は高価だったため、上流階級の飲み物でした。茶が普及したきっかけは諸説ありますが、その中のひとつがクリミア戦争です。戦争によってスラブ諸国との交易を断たれたイギリスはモロッコのタンジェに大量の茶葉在庫を抱えてしまったことによりモロッコに対して低価格販売を実施したのでした。茶葉はミント湯の引き立て役として大衆化していつの間にかミントティーとしてお茶のほうが主役になりました。
〈ミントティーの材料〉
・緑茶
主に中国の珠茶(通称ガンパウダー)
・砂糖
伝統的にはカレブスッカルと呼ばれる2kgの円錐形の砂糖をハンマーで砕いて使用するが、大きい角砂糖を使うことが多い。
・ミント
ナァナァと呼ばれるフレッシュスペアミント。
・ハーブ
アブサン、ベルベーヌ(レモンバーベナ)、マジョラム、オレンジフラワー、ラベンダー、サフラン等
〈ティーセレモニー〉
①香炉で香を焚いて客を迎える
②客にフラワーウォーター(オレンジ、ローズ)を振りかける
③菓子を取り分ける
④客の目の前で茶をいれる
家長やその集団の権威者、いれるのが上手な男性がいれる
シャイ=茶
バラード=ティーポット
カス=モロッコグラス
⑤茶の入ったグラスを配る
⑥客は美味しいという気持ちを表すため、軽く音を立てて飲む
2022年6月26日facebook記事より