赤ん坊が生まれて最初に盛大に祝われる会は、出生後100日を祝うペギルヂャンチ(백일잔치/百日宴会)です。親戚や近所を招待してペギルトック(백일떡)を配って食べます。
赤ん坊が満一年になる誕生日がトル(돌)で、一生で行う誕生会の中で最も盛大な会、トルヂャンチ(돌잔치/百日宴会)は、子どもに韓国の民族衣装を着せ、祝膳を用意し、トルチャビと言われる占いを行ったりします。トルチャビとは、赤ちゃんの前に様々な物をならべ、赤ちゃんがどれをつかむかによってその将来を占うというトルジャンチには欠かせない行事です。
朝鮮時代には、チェグレ(책례/冊礼)という、子供が書堂で一冊の本を読み終わったら行われた、師に感謝する儀礼もありました。
韓国では食べ物を高く盛ることをコベ(고배/高排)と言います。お祝いや祭祀、神社寺院の供物は高く盛れば盛るほど良いとされているのです。そしてまた韓定食は小皿にたくさんのおかずが並べられますが、これもまた数によるおもてなしの深さをあらわしています。
中華圏において鶴は長寿の象徴となっています。鶴と松は長寿を願う吉祥図です。また、シプチャンセン(십장생 十長生)は、日、水、山、石、雲、松、不老草、亀、鶴、鹿、桃、竹などを配置した吉祥図です。
シル(시루/蒸し器)の中に、米粉またはもち米粉と煮小豆を交互にしいて蒸したお餅をシルトック(시루떡)と言います。昔から無事息災を祈る供え物であり、現在は引っ越した際ご近所に配るお餅として用いられます。
ミヨックック(미역국/ワカメスープ)は、出産誕生に深く結びついた料理です。カルシウム豊富なわかめスープは、カルシウムが十分に摂取出来なかった時代の古人の知恵が十分に生かされた料理なのです。
コイムトックは、重ね積んだお餅を言います。現在はコイムトックを見ることができる機会が少なくなりましたが、かつてはお祭りや婚姻、祭祀に欠かさず一番目立つ場所に置かれるものでした。
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