日本の柚子の始まりは、鎌倉時代に在位した花園天皇が中国から渡ってきた柚子を、宮中人が隠棲した山里嵯峨水尾に植えたことに始まるされます。
以後、水尾は柚子、梅、柿、枇杷、柘榴などの果樹が昔人の生活に寄り添い繁茂したのでしょうが、特に柚子と梅は水尾を象徴する果樹となりました。
水尾の地をこよなく愛し、水尾帝とも呼ばれました清和天皇(850〜880)は、9歳で即位、27歳で譲位して、30歳から仏道修行のために近畿各地を回り、最後に水尾の山寺に入りました。31歳で崩御するとその遺骨は遺詔によって、水尾に葬られました。この地を最も愛したと言える清和天皇もまた柚子を好み、柚子風呂を楽しんだそうです。
「古家や 累々として 柚子 黄なり」 正岡子規
~2018年11月5日facebook記事より
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