安来市の貧しい農家に1899年生まれた足立全康は小学校卒業後家業を手伝うも報われない暮らしを見て商業の道を志しました。紆余曲折を経て戦後大阪で成功すると58歳で心の拠り所としていた横山大観の世界への第一歩となる『杜鵑』を始めとして、71歳の時に生家の地に足立美術館を創設、78歳で門外不出幻のコレクションとされていた北軽井沢横山大観コレクションを2年がかりの奮闘の末手に入れ、日本絵画蒐集家として名を馳せました。現在、美術館所蔵横山大観作品数は百数十点規模、また、庭園も一幅の絵画であるという信念を貫き1990年に亡くなるまで庭作りに心血を注いだ足立全康の信念は結実し、島根の主要観光地から離れた場所にあるにもかかわらずフランスで権威のある旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャパン』で三つ星に選出され、また、アメリカの日本庭園専門誌が実施する日本庭園ランキングでは13年連続日本一に選ばれています。
2020年1月10日Facebook記事より