一隅を照らす、瑠璃堂史上初公開と比叡山の茶樹

東大寺で国家公認僧となった最澄は、生まれた時から親しんだ故郷の霊峰比叡山を求道の場としました。入山から3年後の788年、一乗止観院を建立、後に7座の山に点在する堂塔すべてを総括する総本堂根本中堂となります。
最澄が目指した世界は、一人ひとりが役割や立場を果たすことで世の中全体が照らされる、誰もが幸せに過ごせる明るい世の中になること。人ことが宝であると、人を作ることを第一としました。
最澄の遺志は消えることなく、比叡山は 等、仏教史に輝く歴史人物が数多く排出する母山となりました。
来年2021年は、伝教大師最澄の遷化1200年。そして、織田信長軍の焼討ちによって比叡山が灰燼に帰す悲劇に見舞われてから450年を迎えます(比叡山焼討ち)。それを記して唯一焼討ちを免れた瑠璃堂の扉が史上初めて一般に開かれました。瑠璃堂に座す薬師如来は格子の隙間から黄金の光が溢れ出るほど神々しい。
なんと、瑠璃堂後ろ斜面には白く小さなツボミをたくさんつけた茶樹が^_^
昔、比叡山には人の住む住房がそこここにあったから茶を作っていた可能性があるし、それが自生しているのは不思議なことではないと聞きました。
会館でそんな話を聞いた後は比叡山の精進料理を。本日のメニューは以下の通り。
《薬師御膳品書》
舞茸と赤コンと花麩の炊合せ
比叡蒲焼き
湯葉カツ 葱味噌掛け
パプリカと貝割れのサラダ
オクラとモロヘイヤの和え物
比叡の胡麻豆腐
湯ざく クコの実のせ
生湯葉のお刺身 梅肉ソース
大根のぬか漬け
茄子の揚げ浸し 妙姜添え
冬瓜のクチナシあんかけ
三度豆の胡桃和え
枝豆豆乳鍋
十六穀米
じゅん菜 干し湯葉
食後部屋に戻ると、琵琶湖を臨む窓の外から見える下方の夜景は、天地が逆転したかのような、比叡山に広がる宇宙のように瞬く星世界。最澄が求めた世界でしょうか?

2020年10月6日facebook記事より

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