出光美術館特別講座「トルコの文化にみる東洋美術の魅力」

日本・トルコ外交関係樹立100周年記念「トプカプ宮殿博物館・出光美術館所蔵名宝の競演」開催中の出光美術館休館日に行なわれた特別講座に参加しました。美術鑑賞をさらに深めるために、展覧会の内容に関わる興味深いテーマがとりあげられ、休館日に少人数で行なわれる講座です。
テーマは「トルコの文化にみる東洋美術の魅力 ~陶磁器と金属工芸品を中心に~」
世界最大の宮殿博物館の一つであるトプカプ宮殿博物館には3度訪れたことがありますが、ほとんどの時間を厨房で費やしていただけに、今回のテーマはとても興味深く、勉強になりました。
トプカプ宮殿は、オスマン帝国が1453年にビザンティン帝国を倒して、首都をイスタンブール(コンスタンティノープルから改名)に移して以来、1467年から1856年までオスマン帝国のスルタン居城で、その厨房は衣食住の「食」に関わるすべてを司る場所でした。
口に入る飲食物はもちろん、薬や石鹸などの医薬品・医薬部外品も含み、現在厨房に展示された調理道具で作られて、食器類に盛られて提供されました。
食器類の中でも中国陶磁器を挙げると、その数実に約10700点、圧倒的に多いのは元・明・清王朝時代の龍泉窯青磁と景徳鎮青花です。
オスマン帝国が莫大なコレクションを所蔵していた理由に、①贈答品、②戦利品、③ムハレファット(相続)が挙げられます。そして、イスラムの教え(浪費、贅沢、無駄遣い、富の乱用の禁止)に従った贅沢品の没収、嫁入り道具は女性が亡くなると宮殿に帰する等といったオスマン帝国ならではの掟もトプカプ宮殿の宝物が散逸することを防いだ一助になっているとか。
戦利品と言えるかもしれないものの中に、コーヒーも含まれます。16世紀前半、コーヒーが人々の生活に定着していたカイロやメッカを征服した時にエジプトコーヒーがトルコに伝わりトルココーヒーの歴史が始まりました。
1554年、「Kiva Han(キヴァ・ハン)」という名のコーヒーハウスがイスタンブールに開業したのが、世界初のカフェの誕生と言われています。
トプカプ宮殿でスルタンは、食後にコーヒーを飲んで、バナナを食べるのが習慣だったとか。そのオマケ話を聞いて、がぜん興味がわいたのが、バナナはどこから来たのか?
Googleで調べると、なんと、ここでアレキサンダー大王の名前が出てきます。インドでバナナに出会った最初の歴史人物であると。
インドから西方へのバナナの伝播は中近東をスルーしてアフリカに渡ったと、グーグル先生は言います。オスマン帝国のスルタンは何処産のバナナを食べていたのだろう?本題ではないことにしばし気が散りました。
最後に、チラシ上(トプカプ宮殿の「ト」の横)に載る19世紀製コーヒーカップ・スタンドのこと。19世紀製コーヒーカップ・スタンドは3点展示されています。
チラシを飾るのは、最盛期には宝飾品製作に携わる金工師が2000人いたという宮廷の工房による超絶技巧に加えて40ものダイヤモンドをちりばめた鍍金スタンドです。
光を通すくらい薄い白磁カップにイスタンブール画の七宝焼きスタンドは、フランス王立製陶所セーブル製です。ヨーロッパで18世紀にはすでに中国に勝るとも劣らない陶磁器文化が花開いていたことをトプカプ宮殿が示しています。
さすが、美と文化の十字路を象徴するトプカプ宮殿。また、いつか訪れたいです。
終了後、美術館近所にある東京交通会館に寄りました。徳島県特産柚香(ゆこう)の実物を見てみようかと。徳島で加工品は食べたことがあっても、実を見たことがなかったのです。柚香の果実は10月下旬から黄色く着色し始めて、11月下旬に黄色から橙色に変わります。すだちよりも大きいけれど、みかんよりも小っさい。みかんのように剥けるけど、食べるには酸っぱい柑橘。今、キッチンが柑橘の香りでいっぱいです^^

2024.12.09facebook記事より

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次