白い蘭の地という意味を持つクルセオンにあるマカイバリは約670ha(東京ドーム約145個分の広さ)の敷地のうちほとんど原生林を残し270haの茶畑を運営する茶園です。
標高1300mに位置する製茶工場を含めマカイバリで働く従業員は約600人に及びます。
日本との所縁も深く、明治初期日本で初めてインドのダージリンやアッサムを訪れた幕臣で後に茶の栽培家となった多田元吉が訪れた茶園です。マカイバリのオーナーさんのひいおじいさんの時代に多田元吉がここにお茶の見聞に訪れた話は現在でも語り継がれています。
マカイバリのロゴマークは茶花を模したマークです。
マカイバリのお茶は、96年、03年のティーオークションで歴代最高値を記録し、英国皇太子が選ぶ優秀有機食品賞を受賞しました。
02年にはインド政府のラシュトリヤ・ラタン(国の宝石)勲章を授章しています。
茶畑で摘まれた茶葉はまず萎凋室に運ばれ、広くて長い萎凋槽の上に並べられます。
萎凋された茶葉は揉捻機にかけられますが、揉捻機はヒルがなく平らです。
茶葉の生育状態によって揉捻される時間は異なりますのですが、たまたま訪れた日は30分くらいだったようです。
お茶工場に行く日時によって見学できる工程が限られます。
マカイバリでは萎凋、揉捻、玉解き、発酵の工程は見ることができませんでした。
萎凋、揉捻、玉解き、発酵室で静かだったマカイバリの工場も、茶葉たちが集まっている乾燥機の前では熱気にあふれていました。
この時の乾燥時間は240℃で22分だそう、マカイバリはダージリンで最初に訪れたダージリンのティーエステイトだけに他との比較のしようもなく、参考までに書いたメモだけ残っています。
仕上がった茶葉はトントンと手作りした木箱以外、紙袋にも詰められて行きます。
紙の袋は人の手で一袋ずつちくちく針と糸で縫い閉じられます。
袋は20kg、5kg用があります。最近では昔ながらの重い木箱よりも紙袋のほうを好む先は増えてきたようです。
マカイバリの鑑定室でテイスティングさせていただけたお茶は6種類、白茶、シルバーチップインペリアル、シルバーグリーン、ウーロン、マスカテル、ファーストフラッシュビンテージでした。シルバーチップインペリアルというお茶は、2003年にマカイバリ茶園がコルカタティーオークションで世界新記録を樹立したのと同じ名前(記録を樹立したのは2003年度DJ-131)ですね。
この年は3月13日から摘み始めたそうです。
グリーンフライが好む場所であるマスカテルが作れる畑は90haで、マスカテルの年間生産量は15トンくらいだそうです。ファーストフラッシュは18トンです。
ここでのテイスティングは、1.9g茶葉を110㏄の湯で抽出しました。抽出時間や湯温は茶葉によって異なります。ファーストフラッシュは3.5分、セカンドフラッシュは4分、ウーロンは4.5分、白茶は6分でした。
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