1月15日は最初の満月、小正月です。
この日の朝にはまず松の実やクルミ、落花生などをかじります。これは一年間でき物や腫れ物ができないようにというおまじない(プロム)です。
地方には9種類のナムルを作って、五穀米と一緒に食べる風習があります。これには、秋に作った陳菜をみんな食べて春を迎えましょうという思いがこめられているのだそうです。また、この日に葉や海苔でご飯やおかずを包んで食べることをポッサム(복쌈/福裹)と言います。
この日食べるヤクシク(약식/薬食)にはこんな由来があります。
新羅炤智10年1月15日のことです。王が天泉亭に行幸した折、烏が飛んできて書を落としました。封書の表には、これを開いて読めば2人死に、開かなければ1人死ぬと書いてありました。迷う王に随行していた天象暦数をつかさどる官吏の勧めで開いたことで王は禍を免れたのでした。つまり、1人とは王のこと、2人とは禍を与えようとしていた者たちのことでした。王は烏の恩に感謝して、以後、上元の日に、炊いたもち米にナツメ、クリ、松の実、ゴマ油、ハチミツ、しょう油を混ぜ合わせて再び蒸してお供え物をつくって烏を祭り、その恩に報いるようになったのだそうです。
朝鮮王朝初期に活躍した文人成俔が著した『慵斎叢話』には、もち米を蒸して、細かく切った干柿、クリ、ナツメ、干し蕨、岩茸などを蜜と醤に合えたものをもち米に混ぜてふたたび蒸す。さらに松の実とクルミを加えると良いと書かれています。そしてまた、烏がまだ起きないうちに食べたほうが良いと。
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