一畑薬師とお茶湯

薬師とは薬師如来の略で、病気を治す薬の仏様として知られています。一畑薬師は中でも特に目のお薬師様として古くから信仰を集めてきました。なぜ目の薬師様なのか・・それは894年、漁師の与市が日本海で薬師如来のご本尊をすくいあげてまつると母親の目が治ったことから、それ以来「目のお薬師さま」として祀られるようになったのです。全国の一畑信仰の総本山として1100年篤く信仰を集めています。
境内にはあちこちに目に関するオブジェも見られます。水木しげる先生作のゲゲゲの鬼太郎に登場する目玉おやじや『のんのんばあとオレ』などのオブジェにも出会えます。実在したというのんのんばあは熱心な一畑薬師の信者でもあり、その深い信仰心がその後の水木しげる先生の人格形成にも影響を及ぼしたとされています。すでによく漫画を知っている人も知らない方も、より興味を持つきっかけになるかもしれません。
注茶半諾迦(ちゅだはんたか)、別名周利槃特(しゅりはんとく)、手に持った大きなはたきが目に留まります。それもそのはず、此の方は赤塚不二夫先生の漫画『天才バカボン』に出てくるレレレのおじさんのモデルになった僧だとか。自分の名前を忘れるほど頭が悪かった・・ということで、お釈迦さまが1本のほうきを渡して「塵(ちり)を払え、垢を除け」と唱えて精舎の掃除を命じたそう。ひたすら掃除を続け、汚れが落ちにくいのは人の心も同じということを悟ったと伝えられています。
一畑とは本来お茶畑で、一畑の「一」はそのお茶畑の番号だったと言われています。その畑でとれた茶葉は一定期間、薬師本堂にお供えをしご祈念をかけたご霊茶として一般にも販売されています。さきほどののんのんばあも昔から愛飲していたというお茶です。
一畑山ではお茶が栽培されていて、お堂の前にも小さなお茶畑があり、御霊茶としてお供えされているそうです。ほうじ茶は通常のほうじ茶とは香りが微妙に違い、飲むのはもちろん瞼につけたり、仏壇や神棚にお供えしたりと愛用されています。

2020年9月4日facebook記事より

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