匠の功技を味わう/昔の抹茶と今の抹茶

講師: 桑原善助商店桑原秀樹先生
会場: 小田原鴨宮岩瀬邸(安政4~5年(1857~1858)160年前に建てられた茅葺屋根農家造りの建物、戦後三越の社長として長年財界で活躍した岩瀬英一郎の生家)
・抹茶は昭和初期まで在来実生の茶樹から作っていたため、品種という概念は皆無だった。
・江戸時代の宇治茶師は毎朝茶園を見回り、摘み頃の茶樹に紙の目印を付けていた(これを紙付けと言う)。
・昔は現在よりも早い時期から茶摘みした。そんな葉緑素が少ない若芽を碾茶にしたため、白っぽい色の抹茶になった。「◯◯の白」という茶銘が多いのはそのため。
・昭和6年頃より東宇治の平野甚之丞が品種選抜を行う→宇治抹茶品種「あさひ」「駒影」の誕生
・昭和9年頃より小倉の小山政次郎が品種選抜を行う→宇治抹茶品種「さみどり」の誕生
・京茶研選抜→宇治抹茶品種「ごこう」「宇治光」の誕生
・初昔と後昔という茶銘は宇治茶師がそれぞれの家の筆頭の茶銘としていた。お薄の抹茶に茶銘がつき始めたのが明治時代以降。現在、濃茶用抹茶には「◯◯の昔」、薄茶用抹茶には「◯◯の白」という茶銘が付けられる。
〈抹茶と洋菓子を茶を合わせる〉
一.薄茶 茶銘: 深瀬の昔
… 季節のフィナンシェ鳴門金時
ニ.薄茶 茶銘: 御園の白
… ガレットブルトンヌ
三.濃茶 茶銘: 駒影
… ガトーショコラアマンド

2020年11月3日facebook記事より

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