その子はね、ほんの小さな頃から神童の誉れ高く、雨の日も風の日も小さな足で山を越えて手習いに通い続け、辺鄙な田舎から大出世して、ついには歴史に残る高僧となったんだよと、まるでついこの間のことのように、知っている子を自慢するように、地元の人が言う。
慧眼の少年はこの道から旅立ちましたが、自分が歩いた道の終着点に故郷を選びました。頓知小僧と呼ばれた子供の頃の彼を知っている人たちは、彼の片視力が失われてしまったのを知って嘆いたことでしょう。彼は留学僧として入宋した労苦によってつぶれた目をありのままに写した木像を生家に残しました。そして、茶も。
「本山の山のさやけき水を清み このよきこの芽に生まれたるらん 日の本の誇のよき茶いでたりと ほほえみまさむ聖一国師も」
今日は静岡にお茶と栽培方法を伝えたとされる聖一国師の生家米沢家にある樹齢三百年枝垂れ桜に会い来ました^_^ 遠く宋の国まで旅した人が歩いた道の起点に立つ桜は、散りゆく姿も美しい🌸
~2019年4月7日facebook記事より
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